はじめに
私が CalcBlocks を始めたのは宮本算数教室のドキュメンタリー番組を見たことがきっかけでした。小学生にパズルを解かせることで、楽しみながら論理的に物事を考える能力を身につけさせるという発想に感銘を受けたことを覚えています。
実際、受験を通して学校側に測られること、学校が知りたいことは極論をいえば その生徒がどの程度論理的に物事を考える能力を身につけているか? だと思います。そこで、すぐに受験の知識を小学生に伝えようとするのではなく、まず論理的に物事を考える能力を鍛えることから始めるという宮本算数教室の指導方法は非常に直接的で本質的であると思います。
宮本算数教室で使用してるパズルが『宮本算数教室の教材 賢くなるパズル』シリーズとして発売されていることを知ったので早速購入し、その中から教育効果が高く面白そうで毎日提供することができそうなパズルを探しました。
ここでは、CalcBlocks で提供しているパズルが『宮本算数教室の教材 賢くなるパズル』シリーズのどの書籍と対応するのかを紹介したいと思います。
数字ブロック
数字ブロック は以下の 『数字ブロック 初級』、『数字ブロック 中級』、『数字ブロック 上級』 の 3 冊に掲載されています。
『数字ブロック 初級』では 3×3 と 4×4 のサイズの数字ブロックの問題がそれぞれ 6 問と 28 問掲載されています。『数字ブロック 中級』では 5×5 と 6×6 のサイズの数字ブロックの問題がそれぞれ 16 問ずつ掲載されています。『数字ブロック 上級』では 7×7 と 8×8 と 9×9 の問題がそれぞれ 10 問、11 問、11 問掲載されています。
CalcBlocks では 3×3 のサイズの数字ブロックは提供していません。問題の難易度については、CalcBlocks の問題の方が、初期に配置されているヒントとなる数字の数が少ないので若干難しいと思います。
数字ブロックは計算能力を必要としない、純粋に論理的に考える能力を鍛えることができるパズルです。どのパズルから購入しようか迷っている場合や、お子さんがまだ足し算や引き算などの計算を習っていない場合は、まずこのパズルから試してみることをおすすめします。
計算ブロック
計算ブロック は以下の 『計算ブロック たし算初級』、『計算ブロック たし算中級』、『計算ブロック たし算上級』、『計算ブロック かけ算初級』、『計算ブロック かけ算中級』、『計算ブロック かけ算上級』、『計算ブロック 四則・初級』、『計算ブロック 四則・中級』、『計算ブロック 四則・上級』 の 9 冊に掲載されています。
『計算ブロック たし算初級』では 4×4 のサイズのたし算の計算ブロックの問題が 34 問掲載されています。『計算ブロック たし算中級』では 5×5 と 6×6 のサイズのたし算とひき算を含む計算ブロックの問題がそれぞれ 16 問ずつ掲載されています。『計算ブロック たし算上級』では 7×7 と 8×8 と 9×9 のサイズのたし算の計算ブロックの問題がそれぞれ 10 問、10 問、11 問掲載されています。
『かけ算』と『四則』に関しては初級しか所持していないので詳細な問題数は確認できませんが、『かけ算』では『たし算』のたし算とひき算の代わりにかけ算とわり算の問題が掲載されています。『四則』ではたし算、ひき算、かけ算、わり算を含む問題が掲載されています。
CalcBlocks では 4×4 と 5×5 と 6×6 のサイズに対して、たし算のみの問題、かけ算のみの問題、四則に加えて剰余という演算を加えたパズルの 3 種類のパズルを提供しています。7×7 よりも大きいサイズに関しては、問題の大きさを大きくしても本質的に難しくなるわけではなく単に計算が面倒になるだけであると考えて作成していません。
剰余という演算はわり算の商ではなくて余りを考える計算で、小学校でも習うことがないので難しいと思われるかもしれません。しかし、たし算、ひき算、かけ算、わり算に剰余を加えた 5 つの演算は代数学の基本演算と呼ばれており、とても重要な演算なので付け加えました。私たちも普段時計を見るときには 24 時間を 12 で割った余りを考えることで 18 時を午後 6 時のように考えていると思います。また偶数・奇数という分類は、整数を 2 で割った余りが 0 のものと 1 のもので分類していると考えることができます。プログラミングの世界でもよく使われており、実は私たちの生活に馴染みの深い演算ですのでパズルを通して馴染んでみてください。
計算ブロックはその名の通り、論理的に物事を考える能力に加えて計算能力が必要とされるパズルです。お子さんの学習の進行状況に合わせて取り組むといいと思います。
ビルディングパズル
ビルディングパズル は以下の 『基礎編』、『基礎編〈2〉』 の 2 冊に幾つかあるパズルのうちの一つとして数問程度掲載されています。
CalcBlocks では 4×4 と 5×5 と 6×6 のサイズに対して、特定の方向から見えるビルの数をヒントとして与えるオーソドックスなビルディングパズルに加えて、特定の方向から見えるビルの高さの合計や、高さの積をヒントとして与える計算能力をより必要とするビルディングパズルを提供しています。計算を必要とするビルディングパズルは CalcBlocks のオリジナルです。
『基礎編』のビルディングパズルはヒントが多めに与えられているので、問題の難易度は CalcBlocks の問題の方が難しいと思います。また 5×5 や 6×6 のサイズになると、問題の作成者の私も問題を解くのを諦めるほどの難易度になっています。難しい問題は飛ばして、解けそうなものから楽しみつつ取り組むといいと思います。
ビルディングパズルは論理的に考える能力の中でも特に場合分けの能力が必要とされるパズルです。また正しく場合分けをするために、順列(数字の並び)に対しての正しい理解が必要とされます。CalcBlocks で提供しているパズルの中では最も難しいパズルです。